廃棄物を価値あるあそびへ
サステナブルな新素材の活用は、温室効果ガス削減のための重点的な取り組みです。使用済みの漁網や、繊維廃棄物などを回収した材料を再生資源化し、遊具の製造に利用しています。
廃棄物を価値あるあそびへ
コンパン社は、遊具などを製造し、世界中であそび場や屋外フィットネスサイトをつくっています。コンパンが排出する炭素排出量の約80%が、原材料に由来するものです。このことを踏まえ、コンパンは環境負荷の削減方法を模索しています。子どもたちのため、すべての人のために、リサイクル材を活用した遊具を作る取り組みを進めています。こうしてできた遊具はの多くの子どもの笑顔を生み出し、人々の環境への意識を高めることにも役立つでしょう。
コンパンは環境負荷の削減方法を模索しています。子どもたちのため、すべての人のために、リサイクル材を活用した遊具を作る取り組みを進めています。
使用済みの漁網
毎年、64万トンを超える魚網などの漁具が海に流出しています。漁具のほとんどは、プラスチックでできています。漁具を含む海洋プラスチックごみの量は、2050年までに魚類全体の総重量を上回ると予想されています。この大量の漁具を、最新のリサイクル技術を用いて再生資源化し、活用できるようになりました。コンパンでは、漁具の廃棄物を細かく切断し、ペレット（粒状）にした後に遊具のパネルに成型するなどして、さまざまな遊具に活用しています。 以前、私たちが使っていたパネルは、すべて新品のプラスチックでできていました。これを海洋プラス チックごみのリサイクル材に代えることで、遊具パネルの炭素排出量は 81.7%を減らすことに成功しました。(１キログ ラムあたりの二酸化炭素換算値で比較した場合)
海洋プラス チックごみのリサイクル材に代えることで、遊具パネルの炭素排出量は 81.7%を減らすことに成功しました。
繊維廃棄物
世界の繊維廃棄物は、1960年から 2021年までの間に、900%以上も増 加しています。新品の衣料品を生産する際に使用されるリサイクル材の割合はわずか１%に過ぎません。幸いなことに、衣料業界以外では繊維廃棄物の活用が始まっています。コンパンでも、繊維廃棄物の有用性に着目し、プラスチックごみと合わせて再生資源化し、遊具の支柱 として活用しています。この素材を、TexMade™（テックスメイド） と呼んでいます。従来のスチール製支柱（亜鉛メッキ 加工なし）と比べて、TexMade™ 製の支柱は、1キログラムあたりの炭素排出量が82%少なくなって います。
リサイクル材に関するよくある質問
「ポストコンシューマ廃棄物」と「プレコンシューマ廃棄物」の違いは何ですか？この違いは重要でしょうか？
リサイクル材なのであれば、「ポストコンシューマ（市場で使用済みの）廃棄物」を素材にしたものでも、「プレコンシューマ（市場に出る前の、製品製造工程で発生した）廃棄物」を素材にしたものでも良いでしょう。もし、どちらかを選択できるのであれば、「ポストコンシューマ廃棄物」のリサイクル材を選んだほうが、より多くの二酸化炭素排出量を削減することができます。
「ポストコンシューマ廃棄物」を再生資源化するためには、廃棄物を回収したあとに、分別し、洗浄する必要があるため、より多くの手間がかかります。しかし、そうすることによって、廃棄物が焼却されたり、埋め立てられたりするのを防ぎ、新たに資源を採取して環境に負荷を与えることを避けることができます。
コンパンはあらゆる種類のポストコンシューマ廃棄物を利用していますか？
コンパンは、使用済みの漁網や食品包装材、繊維廃棄物などの限定されたポストコンシューマ廃棄物を使用しています。多くの種類の廃棄物を使用する場合よりも、品質をより良く管理することができます。
市場から回収された使用済みのプラスチックから生まれた再生プラスチックは、有害な成分が含まれていないのでしょうか？
コンパンは、高い品質基準を守る仕入れ先とのみ取り引きをしています。信頼のできる仕入先から、材料となる廃棄物を調達することが重要です。コンパンは仕入れ業者を定期的に訪問し、協力体制を築いています。また高い品質を保つために、使用するすべての材料に対して、品質試験を行っています。コンパンが品質と安全性に関して妥協することは決してありません。これはリサイクル材に関しても同じです。
海洋プラスチックごみは、どの海からやってきて、どのような経路で流れていくのでしょうか？
コンパンが製品に使用している海洋プラスチック廃棄物は、ヨーロッパと北極圏の海から来ています。使用済みの漁網や漁業用ロープなど、回収された漁業関係廃棄物を回収して、再生資源化しています。
100％リサイクル材は、屋外の紫外線によって劣化しやすいのでしょうか？
すべてのリサイクル材には、紫外線をカットするための加工が施されています。コンパンではリサイクル材に紫外線カット加工のみを施し、着色顔料を使用していない場合もあるので、若干、色が異なる場合があります。例えば、魚網の深緑色のように、ポストコンシューマー廃棄物の元々の色合いを保っています。
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環境にやさしいあそび場のデザイン
オンラインマガジンでは、環境にやさしい新素材を紹介しています。新素材を使うことによるデザインのメリットや、環境負荷やカーボンフットプリントの削減効果について、詳しく解説しています。
さらに詳しく
遊具製品のカーボンフットプリント
あそび場は、子どもの成長に欠かせません。しかし、ほとんどの遊具製品は、原材料の採取から製品の廃棄に至るまでの過程で環境に負荷をかけ、多くの炭素を排出します。
コンパンのGo GreenディレクターDorthe Thorup-Kjærulffが、コンパンの環境データ開示に関する取り組みについて話します。
From waste to play value 廃棄物を遊具に
製品の炭素排出量の約80％が使用する原材料に起因していることを、コンパンは認識しています。コンパンは、環境フットプリントを削減する方法を積極的に模索しています。コンパン社の主な取り組みについては、こちらをご覧ください。
炭素排出量を削減した遊具製品
コンパンのリードデザイナーを務める建築設計士 Alexander Sundbergは、TexMade™製の支柱や従来のプラスチック製部品に代わる代替素材は、スチールやプラスチックに匹敵する耐久性があると述べています。
これらの新素材を活用すれば、あそび場を好きなだけカラフルにすることができ、しかも大幅に二酸化炭素排出量を削減することができます。
環境にやさしいあそび場の耐久性と安全性
TexMade™製の支柱は、繊維廃棄物を利用したリサイクル材でできています。その耐久性は、過酷な試験で証明されています。スチールやプラスチックといった従来の素材に代わるものを見つける必要性は高まっていると、コンパン社でエンジニアを務める Jacob Harderは述べています。
遊具製品に関する環境データ
企業が公表する環境データの信頼性と情報の透明性を高める第三者検証は、公正な情報開示のカギとなります。Bureau Veritas社のセールスマネージャーであり、持続可能性部門の事業開発担当の Tomas Riegels-Jørgensen氏は、ESG（環境、社会、ガバナンス）を理解する必要性が高まっていることについて、言及しています。